大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和55年(行ス)14号 決定

抗告人(申立人) 三輪吉雄 外一名

相手方(被申立人) 東京都

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人らの負担とする。

理由

一  一件記録によれば、原審が原決定の理由中で認定したとおりの事実を認めることができ、そのような事実関係のもとにおいては、相手方が昭和五五年二月二五日付で抗告人らに対してなした建築物等移転通知及び照会の効力がそのまま維持されたとしても、抗告人らに回復の困難な損害が生じるとはいえず、従つて、そのような損害を避けるための緊急な必要があるとは認められないとした原審の判断は、相当として是認することができる。そして、一件記録を検案しても、その他に原決定を違法とすべき事由は見い出しがたい。

二  よつて、本件抗告はその理由がないから、これを棄却することとし、抗告費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条、第九三条を適用して、主文のとおり決定する。

(裁判官 沖野威 奥村長生 佐藤邦夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例